桐朋学園小学校

桐朋だより

桜あふれる春のために 3年生 桜守

3年生の生活科では、大学通りの桜の木を守る、桜守の活動をします。

大学通りの桜並木の木々が弱っていることに気づいた大谷さんという方が始めた活動です。

6月半ばのこの日は、桜の木に肥料をまきに行きました。

大谷さんの説明を聞いて、まずは桜の木の周りにある菜の花の種をとります。

春に可憐に咲く菜の花ですが、これを植えることで、桜の根元が踏み固められてしまうことを防ぎます。

菜の花の種をとったら、次は肥料まき。

この肥料は昨年の3年生が準備をしていたもの。

年度が変わって、活動もバトンタッチされました。

 

みんなが大好きな通学路の大学通り。

来年の春も桜のなかを歩けるように、心をこめて桜守の活動をしていきましょう。(6月13日)

海で 6年生 岩井臨海学校 後半

遠泳本番になるはずだった3日目は、朝から雨が降り続いていました。

さらに気温、水温が下がり、遠泳の延期を判断せざるをえませんでした。

前日までの練習に手ごたえを感じていたので、安全のためとはいえ、それは悔しい判断でした。

私たちよりも、きっとみんなが悔しく思っていたことでしょう。

窓にはたくさんのてるてるぼうずがかけられました。

午後になっても不安定な天候、低い気温はあがらず、結局遠泳本番は翌日に繰り越されました。

それでも、雨が上がった少しの時間に浜にでかけ、浜あそびの時間を満喫することができました。

たっぷりの自由時間には、友だちや先生とも遊びましたね。

カードゲームでみんなにしてやられたときは、思わず大きな声をあげてしまいました。

夜はキャンドルサービス。みんなの替え歌は、翌日へのやる気を湧き上がらせたように思います。

 

そして臨海学校最終日。

朝から強い雨が降っていました。

早朝に起きて、カーテンを開ける前から聞こえる雨の音がうらめしかった。

子どもたちの安全を考え、遠泳の中止を教員全員で判断しました。

 

6年生のみんな。

実は私はみんなくらいの年のころ、泳ぐことが大の苦手でした。

水が怖い子だったのです。

きっとみんなのなかにも、水が得意な子もいれば、そうでない子もいたことでしょう。

でも、2日目の午後、君たちは足のつかない大海原で、みんなで隊列を組んで泳ぐことができました。

それは練習のなかの1ページの光景でしたが、どれだけすごいことか、私は知っています。

練習を積み重ねてきた自分の身体と、ともに泳ぐ友だちに背中を押される勇気が、海で泳ぐという不安を乗り越えさせたのです。

「だいじょうぶ、がんばれ。」

その言葉をかけながら、私は泳ぐ君たちの横顔に、あのころの自分を重ねていました。

君たちといっしょだったら、あのときの自分ももしかしたら、そんなことを感じました。

 

遠泳本番ができなかったことを、まだうまく整理ができていない人も大勢いることでしょう。

でも、私はみんなを誇らしく思います。

大海原に2列、君たちの水泳帽が並び、上下しながら泳いでいく。

響く「エーンヤコーラ」の声。

それは紛れもない遠泳の光景でした。

その光景は、君たちの努力が作り上げたものです。

だから、君たちも、胸を張って自分を誇ってほしいと、そう思います。

(7月16日・17日)

海へ 6年生 岩井臨海学校 前半

岩井臨海学校初日。

待ち合わせの東京駅の空には、梅雨の雲がまだ居座っていて、あいにくの雨模様でした。

浮かない空を吹き飛ばすように、車内はバスレク係が盛り上げました。

そして、バスは千葉の内房、岩井海岸の宿舎「庄兵衛」に到着しました。

初日はまず、避難訓練。何とか雨はあがりました。

万が一に備え、浜から避難所までの道を実際に歩いて確認します。

毎年、汗を流しながら歩く坂道も、曇天の今年はすずしく感じられました。

宿に一度戻り、水着に着替えたら、いざ海へ出発。

浜での準備体操を入念にしてから、いよいよ海に入ります。

波打つ浜から海へと足を踏み入れると、その冷たさに声があがります。

一歩一歩沖へと向かうたびに、水の深さが増していきます。

お腹

水に浸かるたびに「ひゃあ!」声が出ます。

そのたびに、お互い近くの友だちと顔を見合わせて笑います。

肩まで浸かると、不思議なことにそれまでの冷たさが少し和らいだ気がします。

海の優しさなのかもしれません。

と言っても、やっぱり冷たい。

練習を早めに切り上げて、宿に帰ると、すぐにお風呂で体を温めます。

 

2日目も、曇り空の冷たい海でした。

そのため、練習時間を予定より短くせざるを得ませんでした。

でも、翌日に迫った遠泳に向け、短い時間でも集中して練習をしました。

午後には本番同様、隊列を組んでの練習です。

隣を泳ぐバディと息を合わせて、視線を合わせて、お互いを励ましながら泳ぎます。

足のつかない大海原で泳ぐ勇気を、ともに泳ぐ友だちが湧き上がらせてくれます。

他には誰もいない海に、子どもたちの帽子が並びます。

「エーンヤコーラ!」

伝統の掛け声も、海に響きます。

本番に向けて、準備が整いました。

(7月14日・15日)

夏のごちそう 1年生 びわとり

本館から北館へ向かう渡り廊下の奥へと、1年生が歓声をあげながら歩いていきます。

普段は立ち入ることのない場所です。

どこへ行くんだろう?

子どもたちは道の途中で立ち止まると、何人かで新聞紙を広げて、上を見上げます。

何かが落ちてくるたびに、大喜び。

近寄って見て見ると、それは淡い橙色したびわの実でした。

校内の奥のほうに、ひっそりと、でもたくさんの実をつけるびわの木があるのです。

今年も実をつけました。

教室に帰って、洗ったらさっそくいただきます。

あまくておいしい夏のごちそうをいただきました。

(6月20日)

夏の友だち

夏休みをむかえました。

6年生は臨海学校。

千葉の岩井海岸で、遠泳という大きなチャレンジに向かっています。

他の学年の人たちは、待ちに待った夏休み。

どんなふうに始まったのかな。

 

夏休みを目前にした学校には、夏の友だちであるクワガタがたくさん会いにきてくれました。

 

木々に囲まれ、池や水田のある桐朋学園小学校では、日々の中で、または学習を通してさまざまな生き物に出会うことができます。

 

今ごろ、夏の友だちはどんなふうにすごしているのでしょうか。

1学期終業式

今日は終業式です。

登校後すぐの教室をのぞくと、みんなの元気な笑顔に出会うことができました。

みんなの1学期が、思わず笑顔になる機会でいっぱいの1学期だったらうれしいです。

さあ、長い夏休みです。

くれぐれも健康には気をつけて過ごしてください。

9月にまたみんなの笑顔に会えることを楽しみにしています。

 

「1年生のみなさんは、4月の入学式の時に比べてずいぶんと大きくなりました。

岩井の遠泳に挑む6年生も、東天狗岳に登る5年生も、やるぞ、という気持ちが伝わってくるような表情をしていますね。

2年生・3年生・4年生のみなさんにとっても、夏休みは自分を成長させるチャンスです。

自分なりに決めた目標に、挑戦してみて下さい。

一回りたくましくなったみなさんと、9月に会えることを楽しみにしています。

ではみなさん、どうぞ元気で夏休みを過ごして下さい。」

(終業式 片岡先生の話より)

海への道のり 6年生 中高プール練習

6年生は夏休みに大きな挑戦をします。

それは、千葉県の岩井海岸での遠泳。

その挑戦に向かって、練習を積み重ねています。

先週からは、小学校のプールではなく、隣の中学・高校のプールでの練習が始まりました。

普段は水球部が練習で使う、足がつかないところのある深いプールです。

 

2人一組でバディというペアを組み泳ぎます。

息を合わせ、顔をあげたときに、お互いを見合います。

泳ぐことは、自分の力でやることです。

でも、隣で泳ぐバディの存在が、見えない力で自分を支えてくれている、それを実感した人も多いのではないでしょうか。

同じように、あなたが息を合わせようと送った視線が、隣のバディを勇気づけたことでしょう。

 

来週のいまごろは岩井海岸にいます。

大きな挑戦へ向け、みんなで支え合っていきましょう。

本の世界にようこそ 図書委員 しおり祭り

先週1週間は、いつも以上に図書室が盛況でした。

人だかりの中心には、むらさき色のはっぴを着た図書委員の5・6年生の姿がありました。

図書委員の子どもたちによる、しおり祭りが開かれていました。

本を借りると、図書委員お手製のしおりを手に入れることができます。

さすが図書委員の子どもたち。

大人よりもずっと素敵に、子どもたちの心を捉えるようなしおりを作るのです。

これが欲しくて、図書室のカウンターには長蛇の列が生まれました。

「本に親しんでほしい。図書室に足を運んでほしい。」

そんな図書委員の思いがこめられたお祭りです。

子どもたちは、この日手にした本を、特製のしおりを使って、少しずつ読み進んでいくのでしょう。

そして、本の世界に迷い込んで抜けられなくなった子が、次の図書委員になるのでしょう。

 

本の世界へようこそ。

ささのは さらさら

「えー!今日も赤なの?」
玄関の表示が赤のときにはグラウンドで遊ぶことができません。
このところ梅雨空が続き、グラウンドが水浸しになることが多く、子どもたちの残念な声を聞くことが増えてきました。

晴れをのぞんでいるのは、桐朋学園小学校の子どもたちだけではないはずです。
「えー、今日も天の川がかからないの?」
きっと天空では、織姫と彦星がため息交じりにそんなことをこぼしているころでしょう。

低学年の軒端に笹の葉が揺れています。
7月7日の七夕に向け、笹に笹飾りとそれぞれのお願い事がかけられています。
どうか7月7日の夜は、夜空にきれいな天の川がかかりますように。
織姫と彦星が1年ぶりの再会に心をときめかすことができますように。
子どもたちの願いごとがかないますように。
「桐朋学園小学校の子どもたちが、心身ともに健やかに幸せにすごせますように」という私の願いもかないますように。

(「おいしいお肉と桃を思いっきりほおばりたい」という願いごとは後回しで構いません。)

裳裾ぬらして 玉苗植うる 5年生 田植え

桐の庭の水田に今年も稲の苗が植えられました。

社会で日本の農業について学んでいる5年生が、実際に田植えをしたのです。

裸足になって水田に入っていきます。

つめたそうに見えた水田の水は、ぬるく、その下の土に足が沈んでいきます。

ぬるりとしたその感触に、思わず声が出てしまいます。

腰をかがめてひとつまみごと、苗を植えていきます。

足の裏と指先で土の感触を味わいながら、緑の列を水田にえがいていきます。

これから暑い夏をむかえます。

夏休みの間も、5年生が交代で、稲当番として生長を観察します。

秋の実りにむけ、しっかりと世話をしていきましょう。

(6月20日)

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