遠泳本番になるはずだった3日目は、朝から雨が降り続いていました。
さらに気温、水温が下がり、遠泳の延期を判断せざるをえませんでした。
前日までの練習に手ごたえを感じていたので、安全のためとはいえ、それは悔しい判断でした。
私たちよりも、きっとみんなが悔しく思っていたことでしょう。
窓にはたくさんのてるてるぼうずがかけられました。
午後になっても不安定な天候、低い気温はあがらず、結局遠泳本番は翌日に繰り越されました。
それでも、雨が上がった少しの時間に浜にでかけ、浜あそびの時間を満喫することができました。
たっぷりの自由時間には、友だちや先生とも遊びましたね。
カードゲームでみんなにしてやられたときは、思わず大きな声をあげてしまいました。
夜はキャンドルサービス。みんなの替え歌は、翌日へのやる気を湧き上がらせたように思います。
そして臨海学校最終日。
朝から強い雨が降っていました。
早朝に起きて、カーテンを開ける前から聞こえる雨の音がうらめしかった。
子どもたちの安全を考え、遠泳の中止を教員全員で判断しました。
6年生のみんな。
実は私はみんなくらいの年のころ、泳ぐことが大の苦手でした。
水が怖い子だったのです。
きっとみんなのなかにも、水が得意な子もいれば、そうでない子もいたことでしょう。
でも、2日目の午後、君たちは足のつかない大海原で、みんなで隊列を組んで泳ぐことができました。
それは練習のなかの1ページの光景でしたが、どれだけすごいことか、私は知っています。
練習を積み重ねてきた自分の身体と、ともに泳ぐ友だちに背中を押される勇気が、海で泳ぐという不安を乗り越えさせたのです。
「だいじょうぶ、がんばれ。」
その言葉をかけながら、私は泳ぐ君たちの横顔に、あのころの自分を重ねていました。
君たちといっしょだったら、あのときの自分ももしかしたら、そんなことを感じました。
遠泳本番ができなかったことを、まだうまく整理ができていない人も大勢いることでしょう。
でも、私はみんなを誇らしく思います。
大海原に2列、君たちの水泳帽が並び、上下しながら泳いでいく。
響く「エーンヤコーラ」の声。
それは紛れもない遠泳の光景でした。
その光景は、君たちの努力が作り上げたものです。
だから、君たちも、胸を張って自分を誇ってほしいと、そう思います。
(7月16日・17日)