桐朋学園小学校

桐朋だより

2学期始業日

8月24日、2学期の始業日を迎えました。
子どもたちの元気な声が、校舎内の雰囲気を明るくしてくれています。

セミの鳴き声とともに再開した学校生活、4ヶ月のあまりの2学期がみんなにとって充実した毎日になりますように。

残暑お見舞い申し上げます

2007年以来の、8月の梅雨明けとなった東京。

7月はどんよりとしたお天気が多かったですが、8月に入った途端、最高気温が30度を超える日々が続いています。夏休みに入って2週間が経ちましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ニュースでも毎日のように「熱中症」という言葉を耳にします。くれぐれも気をつけてくださいね。

 

夏休みに入り、学校はがらんとした様子になっていますが、飼育当番の4年生や稲当番の5年生が、交代で学校に来てくれています。動物たちは、暑さに負けることなく元気いっぱいに過ごしています。田んぼに植えた稲やバケツ稲も、日々生長しているようです。

 

2学期の始業日に登校したときに、学校の中で変化している場所がいろいろあるかもしれません。ぜひ探してみてください。

 

残り1週間あまりとなった夏休み、元気に過ごしてくださいね。

1学期終業日

7月31日、1学期終業式を行いました。

この日を学校で、全校のみなさんと共に迎えられたことを本当に嬉しく思うと同時に、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

1学期、登校できた期間は決して長くはありませんでしたが、一日一日、クラスメイトとともに過ごせた時間は、濃密であったはずです。共に学べること、遊べること、休み時間の何気ない友達との会話、一つ一つのことのありがたさを誰もが実感した日々でした。

 

三週間の夏休み、誰もが経験したことがない日々となりますが、「心の領域を広げる」ひとときとなりますように。2学期、また学校で会いましょう。

工夫しながら一歩ずつ

先週、今週と2週にわたって、テレビ放送による児童会朝礼を行いました。

内容は、委員会のメンバーと活動内容の紹介です。

 

学級、保健、放送、美化、体育、図書、生きものの7つの委員会が、学校で過ごすみんなのために、できることを行っています。

 

児童会朝礼は画面越しでの呼びかけでしたが、どの委員会からも思いのこもったメッセージが聞かれました。

 

まもなく1学期の終業日を迎えます。6月から、みんなが学校に来られるようになって、一つ一つのことが前に進んできました。学校は人が集う場所であることを、再認識した今学期でもありました。高学年のみんなによる委員会活動も、学校生活をまた一歩ずつ前進させる原動力となるはずです。

一人ひとりが羊の毛と向き合って

本館1階の廊下に、独特のにおいが立ちこめます。

何の匂いだろうと思っていると、実験・実習室からにぎやかな声も聞こえてきました。

4年生が、羊の毛を洗っている真っ最中でした。

 

4年生の生活科では、毎年「羊の毛から」という学習を行っています。本来であれば宿泊行事で羊の毛刈りをし、それを持ち帰ったところから始まる活動ですが、残念ながら今年度は宿泊行事に行くことができませんでした。そこで、毎年お世話になっている牧場に連絡をし、2頭の羊の毛を送っていただきました。

 

刈った毛そのままですから、汚れもついていれば、においもします。まずは、その毛を洗うところからです。羊の毛を洗った水の色はというと・・・。子どもたちの反応がとても大きかったことがその答えです。

 

見違える色になった羊の毛を乾燥させ、その後は繊維をそろえるカーディングという作業を行います。そして、糸を紡いでいく作業へと移っていきます。

 

自分たちが洗った羊の毛がどのようになっていくのか。一つ一つの作業を丁寧に行いながら、学んでいます。

特別な時間

高学年のクラブ活動は、その年の6年生がクラブを立ち上げるところから始まります。

ですから、毎年決まったクラブ活動ができるとは限りません。

 

今年度は、以下の16クラブが成立しました。

 

・ボードゲーム部

・イラスト部

・からだ元気クラブ

・ブックトーククラブ

・文芸部

・読書部

・生物部

・アンサンブル部

・卓球部

・バレーボール部

・野球部

・ダンス部

・バスケットボール部

・バドミントン部

・サッカー部

・遊部(あそぶ)

 

成立したクラブについて、6年生は5年生に活動内容を紹介し、メンバーを募ります。

 

そして、先週の水曜日に、念願の1回目の活動を行いました。

空模様が怪しかったのですが、何とか天気ももち、屋外のクラブも計画していた内容で活動することができました。

高学年だけの特別な時間、2学期も充実したものになりますように。

月曜朝礼 校長片岡先生の話

「青天の霹靂(へきれき)」

 

この時期に学校の授業がある年というのは、桐朋学園小学校としてはながいこと経験したことがありませんので、ちょっと戸惑いを感じることがあります。たとえば明日は、もう土用の丑の日なのだそうです。土用と言うのは、昔の暦でいう季節の変わり目で、立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれ直前18日間を指します。その期間の最初の日を土用の入りと呼び、最後の日は節分と言います。

節分は本来、年に4回あるということになりますが、私たちにとっては2月3日、立春の前日のイメージが強いですね。同じように、土用という期間も年に4回ありますが、一般にはこの時期の夏土用を指すことが多いようです。沖合を通る台風の影響でこの時期に時折発生する大きな波のことを漁師たちは土用波と呼びました。そして土用の丑の日と言えば、江戸時代に、発明家として有名な平賀源内が、「土用の丑の日うなぎの日 食すれば夏負けすることなし」という看板を鰻屋の前に立てて大繁盛させたことから、うなぎを食べる風習が定着して今日まで続いています。

暦はもう夏本番なのに、毎日毎日、じめじめした雨が続いています。梅雨明けの青空が待ち遠しいですね。さて、みなさん、「青天の霹靂(へきれき)」という言葉、聞いたことがありますか?昔、中国の詩人・陸游(りくゆう)が、病気になって寝ていた時のことです。突然アイディアがひらめいて布団から起き、筆を走らせた陸游、その筆の勢いを詩の一節に「青天にへきれきを飛ばす」と書きつけました。これは、青く晴れ渡った空に、突然かみなりがとどろくさまを表現した言葉で、予期せぬ突然の出来事に出くわして驚いた時に使われます。

7月2日、午前2時32分、それは誰もが寝静まった真夜中のことでした。関東地方上空を西から東へと、巨大な火の球が轟音とともに横切っていきました。時間にしてわずか10秒あまりでしたが、夜空を観察していた写真家の方が撮影した動画などが紹介されて、話題を呼びましたね。それと同じ時刻、千葉県習志野市のあるマンションで大きな物音がしたそうです。翌朝、マンションの2階に住んでいる方が玄関を開けると、廊下に石がころがっていました。廊下の手すりには何かが衝突したような傷も…。火の球のニュースを見たその人は、もしや「いん石」のカケラではないかと思ってその石を拾い、千葉県中央博物館に送りました。その石は、さらに国立科学博物館で調査され、真夜中に火の球となって落下したいん石の一部であることが判明したそうです。国内で確認されたいん石としては、53例目だということです。

記録上確認できる国内最大のいん石のことをお話ししましょう。今から200年ほど前の1817年、冬の午後2時ころだったそうです。今の八王子・日野・多摩市にかけての一帯に、雷のような轟音とともにいん石が雨のように降り注いだという記録が、多くの文献に残されています。大きなものは、長さ90㎝、重さ60㎏あったとのこと。当時の人々はさぞ、腰を抜かしたことでしょうね。その地域に住んでいた人々は、「石を拾ったものは届けるように」との命令を受けて、いん石のカケラを役所に届けたそうです。でも、当時の江戸幕府の役人は、「空から石が落ちてくるはずがない。火山の噴火で飛んできたのだろう。」と結論づけてしまったようで、その時のいん石は行方不明となってしまいました。

本当に役人たちはいん石のことを知らなかったのでしょうか。八王子いん石のことを研究している森融さんという研究者によれば、いん石という現象自体は古代中国の頃から知られていたそうです。森さんは、「江戸が大騒ぎになったことで、人々の不安を早くしずめるために役人は火山の石だと言ったのではないか。」と推測しています。嘘も方便、というところでしょうか。

これからも変わらぬ風景でありますように

大学通りの両側に続く桜並木。

毎年春になると、気持ちを温かくしてくれるような、素敵な光景を見せてくれます。

 

日々その木々の下を通って登下校する桐朋生にとって、大学通りの桜を学校の一部のように身近に感じている人もいるかもしれません。

 

数多くの桜がある中で、桐朋学園小学校の子どもたちにとって特に身近な桜が何本かあります。そのうちの一本が大学通りの西側、一橋大学の敷地横にある「ヤマザクラ」です。生活科の学習の一環で、3年生は毎年「桜守」の活動に参加しています。その中の一つとして、先日、けがをしてしまったヤマザクラが元気になるよう、肥料まきを行いました。

 

お世話をする木ができると、これまで何となく見ていた木々の見方も変わってきます。「気になる木」を見つけることで、日々歩く大学通りの景色も、より変化のある場所となることでしょう。

 

3年生が見守るヤマザクラが、来年の春もきれいな花を咲かせてくれることを願いたいと思います。

かけがえのない6日間

7月1日の入学式の翌日から6日間、「一年生送り」が行われました。

 

本校では、1年生と5年生がペアとなり、様々な活動を通して、交流を深めていきます。その第一歩として行われるのが「一年生送り」です。下校の際、5年生がパートナーの1年生を送ります。

 

一年生送りでは、大学通りの歩き方や公共交通機関におけるマナーを伝えることはもちろんのこと、学校生活や自分の好きなことにいたるまで、様々な話をしながら下校をします。今年の5年生も、歩道を歩く際や電車に乗るとき等、どのような場面でも、1年生のことを最大限に考えながら行動をしていました。

 

4月に行われる予定だった一年生送り。7月に延期となったこともあり、5年生はパートナーの1年生がどんな子なのか、ずっとずっと気になっていました。3ヶ月越しで出会えたパートナーとの時間は、5年生にとってかけがえのないものになったはずです。

 

 

一年生送りが始まると、5年生の教室に向かう階段で、1年生の姿を多く見かけます。頼りになるお兄さん、お姉さんと授業の合間も会いたい。一年生送りを経て築かれた関係は、これから先にもつながっていきます。そして4年後、今の1年生が5年生になるとき、送ってくれた5年生の存在の大きさを感じながら、新たなパートナーを送ることになるのです。

 

今日も廊下から

「5年生のところに行こう。」

という1年生の声が聞こえてきました。

 

月曜朝礼 校長片岡先生の話

「先攻?後攻?」

 

7月に入ってから、新型コロナウィルス感染症に新たに感染した人の数が、東京都を中心に非常に多い数字を記録しているのを見ると、私たちにわからないところで、感染が拡がっているのかも知れないと心配になります。一方で政府は、屋外の会場で充分な間隔を取れば、参加者5,000人までのイベントを開催することができるというルールを新たに定め、7月10日からはプロ野球やJリーグで、観客を入れての試合が始まりました。無観客試合であってもテレビで観戦する限りはたいして変わらないかも知れませんが、スポーツ好きな人にとっては生の観客の歓声もまた、スポーツの欠かせない魅力のように感じられるでしょう。昨年のラグビーワールドカップのように、スタジアムを埋めた数万人もの観客が大きな感動を共有するような、素晴らしいスポーツイベントが、一日も早く開けるようになるといいですね。

ところでみなさん、サッカーの試合が始まる前に、両チームのキャプテンが、レフェリーが弾いたコインの表が出るか裏が出るかで、何かを選んでいるのを目にしますよね。あのコイントスに勝ったチームは、コートかボールかを選ぶことができるのです。コートを選ぶということは、前半はどちらのゴールに向かって攻めるか、その向きが決まるのですが、ボールを選べば、自分たちのキックオフから試合を始めることになります。どちらでも勝敗にはあまり関係がないように思えるのですが、昨年5月のU-20ワールドカップを調べてみると、コイントスに勝ったらコートを選択するというチームの方が、キックオフを選ぶチームの倍以上に多いのだそうです。

プロ野球では、ホームチームが後攻と決まっていますが、ふつう私たちが野球をする場合は、じゃんけんで先攻・後攻を決めますね。かつて『週刊ベースボール』という雑誌が、夏の甲子園大会の過去100回の決勝戦を調べてみると、先攻のチームが勝ったのは44回、後攻のチームが勝ったのは54回(中止が2回)ということで、後攻がわずかに有利という結果が出ました。でも、2011年から栃木県大会を9連覇し、2016年夏の甲子園で優勝した経験を持つ栃木県の作新学院は、その9年間の県大会・甲子園大会のうち、3分の2の試合を先攻で戦っていたそうです。後攻が必ず有利という決まりがあるわけではなく、チームの特徴によっては先手を取る方が有利ということなのでしょう。

これは7月4日朝日新聞「天声人語」にあった話です。よく、「ヘビににらまれたカエル」という言葉を耳にしますよね。何となく、恐怖で身がすくんで動けなくなった絶体絶命のカエルの姿を想像しがちです。自然界でも実際に、カエルとヘビのにらみ合いが一時間近くも続くことがあるそうです。でも、京都大学の西海望博士のチームの研究によれば、実はあの不動の姿勢こそカエルにとっては最善の防御策だというのです。

研究チームは、シマヘビとトノサマガエルを向かい合わせて何度もビデオ撮影を行い、分析しました。実験の結果、カエルはもし先手をとって跳躍すると、空中で進路を変えることができないため、ヘビに動きを読まれてつかまる危険性が高まるのです。一方でヘビも同様に、かみつく際に折り曲げた身体をバネのように一気に伸ばしますが、最初の攻撃が空振りすると、再攻撃のためにまた身体を曲げる時間が必要になり、その間にカエルが逃げてしまうのです。西海教授のチームはのべ300時間をかけてこの研究を行い、あのにらみ合いは、お互いが相手の動きを読みつつ、一瞬のチャンスをつかもうとする高度な戦略だったことを突き止めました。

囲碁や将棋であれば、先手必勝という言葉はうなずけるように思いますが、たとえば柔道や剣道、フェンシングなど、一対一で向かい合うスポーツの場合はどうやって、一瞬で相手の動きを読むのでしょうね。

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