桐朋学園小学校

桐朋だより

ブラインドウォーク 4年生

「もう少しで階段があります。あっ、くだりの階段です。」

今日は4年生の生活科の授業、ブラインドウォークです。

2人一組になり、ひとりは目隠しをつけて目が見えない世界を体験し、もうひとりはその道案内をするガイドを体験します。

歩く場所は普段から慣れ親しんでいる場所。

そのはずが、目隠しをすると、一気に不安が増します。

急に知らない世界におとずれた気持ちになります。

少しの段差が気になり、それから物音にとても敏感になります。

何気なく置かれた自転車が、目の見えない世界では、得体のしれない障害物へと姿を変えます。

「階段は残り3段です。」

ガイド役のかける言葉がどれだけ頼りになることか。

相手の肘をつかむことも、心強さを感じます。

誰にとっても暮らしやすい社会は、ひょっとしたら誰もが誰かと少しずつ支え合う社会なのかもしれません。

困っている人を助けることは、ときに勇気を必要としますが、今日のこの授業が、その勇気を出すための一歩になればいいと思います。(1/21)

いざという日に備えて 防災訓練

休み時間に全校に放送が入りました。

「これから防災訓練を始めます。

地震です。地震です。」

予告なしの避難訓練の始まりです。

授業中と違い、休み時間は、みんなが学校のあらゆる場所に散らばっています。

それは屋内に限りません。

外で遊んでいる人も多くいました。

揺れが収まったという放送を合図に、私も急いで担当箇所のグラウンドに飛び出しました。

すると、外で遊んでいたみんなはしっかりとグラウンドの中央に集まって座っていました。

予告なし避難訓練週間の初めに、教室で避難行動についての確認があったのでしょう。

突然の放送でしたが、きちんとふさわしい行動がとれていました。

この日はくしくも阪神淡路大震災という大きな大きな地震から25年目の日でした。

残念ですが、地震はいつどこで起こるかわかりません。

私たちにできる備えをしていきましょう。(1/17)

国際理解教室 4・5・6年生

毎年、様々な国や地域の方を招いて、文化や地理について話をうかがう国際理解教室が今年も開かれました。

今年は香港出身のマルコムさんが来校くださいました。

それぞれのクラスで事前の学習を行いましたが、高学年のクラスのなかには、現在の香港が抱える状況について質問が飛び交い、教員の話に耳を傾ける姿がありました。

マルコムさんは、香港の食文化を中心に、香港の魅力を紹介してくださいました。

おいしそうな食事がスクリーンに映し出されたときには歓声があがりました。

ひとつの国、地域でも、どのような視点で見るかによって、浮かび上がってくるものは変わります。

それが伝わる国際理解教室になりました。(1/15)

響き渡る音色 中学年音楽鑑賞教室

講堂に金管楽器の音色が響きました。

今日は3・4年生の中学年音楽鑑賞教室。

金管五重奏と打楽器によるアンサンブルです。

ファーストとセカンドのトランペット、ホルン、トロンボーン、チューバの金管楽器に打楽器。

子どもたちの目の前で、それぞれの楽器が主役となる曲が次々と演奏されます。

曲の間には、楽器の説明が挟まれます。

会の中盤にはなんと指揮者体験もありました。

子どもの指揮に合わせて楽器から出る音色が変化していきます。

それはまるで生き物のよう。

私もやってみたかった。

後半は子どもたちにとってもなじみのある曲が演奏されました。

どこかで聞いたことがある曲も、それぞれの楽器の音色や説明を知ったあとだと、味わいがよりいっそう深まりました。

演奏者のみなさま、ありがとうございました。(1/10)

やさしい時間 1・5年生 読み聞かせ

教員室の引き戸から外に出てみると、上から5年生の声が降ってきました。

その声は、いつもより柔らかな声のように感じました。

階段をのぼってみると、ぽかぽかと陽のあたるテラスで、5年生が1年生に絵本を読み聞かせていました。

読み聞かせのペアは、4月に行われた1年生送りのパートナー。

久しぶりのペアの時間は、少し恥ずかしそうで、それからとてもうれしそうです。

1年生は、4月から2年生になると、図書室を使うことができるようになります。

その前に、本に親しむための、それはそれはやさしい時間でした。(1月9日)

お正月遊びの日

3学期始業式の翌日は、お正月遊びの日。

全校の子どもたちがたっぷり遊ぶ1日です。

みんなで遊びにどっぷり浸って、たくさんの笑顔が学校にあふれて新しい1年が始まります。

澄み渡る青空にたこがあがることも、「たこがひっかかっちゃった。とってください。」という声が聞こえてくるのも、この日ならではです。

新しい学期、新しい年も今日のようなたくさんの笑顔が見られますように。

(1月9日)

目線を上げて 3学期始業式

3学期が始まりました。

「目線を上げて」という今年の目標のようなタイトルをつけましたが、恥ずかしながら目標ではありません。

それは朝早くのことです。

「明けましておめでとうございます。」

教員室に6年生の男の子が入ってきました。

心なし声が低くなったような気がします。

そして何より背が伸びています。

わずか2週間の冬休み。

でも、子どもたちの背が伸びるには十分だったようです。

2週間前より目線を上げて、「明けましておめでとう!」返事をしました。

今年も、みんなの背丈や心が健やかに成長していきますように。

2学期末に行われた1年生の落ち葉たき、やきいもづくりの写真ものせます。

やきいものように、ほくほくとした温かな気持ちをにみんながたくさん感じられますように。

青空に響く快音と歓声 2年生 中高野球部ティーボール教室

中高の野球グラウンドに歓声が響いています。

今日は中高の野球部による2年生へのティーボール教室が開かれました。

まずは準備体操。

2年生を見守るようにユニフォーム姿のお兄さんたちが囲みます。

いつもの準備体操なのに、お兄さんがやると、なぜかかっこいい。

次は大繩。

長い縄をお兄さんが回してくれます。

2年生とお兄さん、合わせて20人以上がいっぺんにとべたときは、大きな歓声があがりました。

いよいよティーボール体験です。

グループに分かれて、お兄さんが丁寧に教えてくれます。

「こうして投げるんだよ!」

「おっ上手!その調子だよ!」

教えてもらう2年生はもちろん、教えている中高生も、どちらもうれしそう。

最後はお兄さんによる模範バッティング。

お兄さんがバットを振るうと、快音とともに白いボールが澄み渡る青空に吸い込まれていきます。

そのあとを追いかけるように、子どもたちの歓声も青空に広がっていきました。(12月20日)

冬休みの飼育活動 4年生

年が明けました。

みんなはどんなお正月を過ごしているでしょうか。

おだやかな年明けを迎えていることを願っています。

冬休みも飼育当番の子どもたちが、動物のお世話のために交代で登校しています。

飼育小屋の掃除や、動物たちへのえさやりを行います。

冬は水が冷たいので、特に飼育活動が大変な季節と言えます。

冷えた手を息で温めながら、心をこめてお世話をします。

「あけましておめでとう!」

挨拶を交わす子どもたちの元気な声に、新しい一年を始める力をもらったお正月となりました。

未来を拓く力 月曜朝礼のお話から

今日が2019年最後の日となります。

みんなにとって、この2019年はどんな年でしたか。

「桐朋だより」の2019年最後の文章は、校長の片岡先生の月曜朝礼のお話をのせたいと思います。

ぜひ、頭と心を働かせながら、じっくりと読んでほしいと思います。

大好きなみんな、それから保護者のみなさま、学校に関わる全ての方々、良いお年をお迎えください。

みなさん、おはようございます。

今朝は2019年最後の月曜朝礼です。

今年も残り二週間ばかり、年末恒例の話題がいろいろと聞こえて来ます。 

12日の木曜日には、日本漢字能力検定協会が、その年の世相を表す漢字一文字を「今年の漢字」として発表しました。

全国から寄せられた21万6,325票のうち、約3万票を獲得した「令」の字が選ばれ、各メディアがこぞって報じていました。

4月1日に発表された新しい元号の一文字ですので、多くの人が「令」の字を思い浮かべたのは、それはそれで自然なことでしょう。

一方、今月2日に発表された「新語・流行語大賞」、その年間大賞に選ばれたのは「ONE TEAM」という言葉でした。

日本中を熱狂の渦に巻き込んだラグビーワールドカップでの日本代表チーム「ジャパン」の合言葉ですね。

実を言うと、先生は「今年の漢字」も、ラグビーと関係のある漢字が選ばれるのではないかと思っていました。

ラグビー「ジャパン」の愛称は「ブレイブ・ブロッサムズ」、シンボルマークは「桜」です。

「ブレイブ・ブロッサムズ」とは「勇気ある桜の戦士」といった意味になります。

「ジャパン」の戦い方はまさにその言葉通りの印象でした。

だから、勇気の「勇」か、あるいは「桜」のどちらかが選ばれると思っていたのです。

「今年の漢字」の投票数で、「桜」が18位、「勇」はランク外だったのが、先生はとても意外でした。

今年5月、川崎市登戸駅で起きた事件、あるいは今年7月に京都市伏見区で起きた京都アニメーションの事件など、言葉に出来ないようなおそろしい出来事が起きるたびに、人と人とを結びつける信頼とか共感といったものが急速に薄れ、他人に対して抱く残酷で冷たい心をコントロールできなくなっている今の社会の現実に、私たちは言葉を失いました。

そんな時、一人では立ち向かえないような高い壁に文字通りスクラムを組んでぶつかる勇気や、そこから生まれる信頼の尊さを示してくれたのがラグビー「ジャパン」の闘いだったのではないでしょうか。

今年の夏に出版されて話題となった一冊の絵本があります。

リチャード・T・モリスさんの『かわにくまがおっこちた』という作品です。

川に落ちてしまった一頭のクマが、木につかまりながら川を下っていきます。

クマの頭にぴょんと乗っかったのは一匹のカエル。

カエルはずっと一人ぼっちで友達を探していたのです。

続いてちょっと臆病なカメが、船長気取りの元気なビーバーが、さらに、陽気なアライグマたちも加わります。

どっしーん!ぶつかったのはアヒルです。アヒルは急に仲間が増えて世界が広がったように感じます。

右へ左へ、ジェットコースターのようにスリル満点の川下り。 突然、みんなの目の前がぱっと開けます。

何と、滝です。

クマはカエルにつかまって、カメはビーバーに、ビーバーはアライグマに、アライグマはアヒルにつかまって…「ばっしゃーん!」滝の下で目を開けると、みんなの笑顔がありました…とまあ、こんなお話です。

ポイントは、もともとは川のそばでみんな別々に、関りも持たずに生きていた動物たちが、互いにつながった瞬間から冒険が生まれ、世界が開けていくというところにあります。

12月11日朝日新聞『折々のことば』で、この絵本の作者のモリスさんがあと書きに寄せている言葉が紹介されていました。

「まったく違った個性を持った他者を受け入れることは非常に難しい。

けれど、異なる他者との結びつきがなければ、人間は自分の一番の長所にも気づくことはできない。

自分にあるのが強さなのか弱さなのか、おそれなのか勇気なのかは、他者を通してでしかわからない。」

人間は、他者とつながり、社会を作ることでこれまで長い歴史を築いて来ました。

未来をひらく鍵も、きっとそこにあるのだと思います。

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