桐朋学園小学校

桐朋だより

かけがえのない6日間

7月1日の入学式の翌日から6日間、「一年生送り」が行われました。

 

本校では、1年生と5年生がペアとなり、様々な活動を通して、交流を深めていきます。その第一歩として行われるのが「一年生送り」です。下校の際、5年生がパートナーの1年生を送ります。

 

一年生送りでは、大学通りの歩き方や公共交通機関におけるマナーを伝えることはもちろんのこと、学校生活や自分の好きなことにいたるまで、様々な話をしながら下校をします。今年の5年生も、歩道を歩く際や電車に乗るとき等、どのような場面でも、1年生のことを最大限に考えながら行動をしていました。

 

4月に行われる予定だった一年生送り。7月に延期となったこともあり、5年生はパートナーの1年生がどんな子なのか、ずっとずっと気になっていました。3ヶ月越しで出会えたパートナーとの時間は、5年生にとってかけがえのないものになったはずです。

 

 

一年生送りが始まると、5年生の教室に向かう階段で、1年生の姿を多く見かけます。頼りになるお兄さん、お姉さんと授業の合間も会いたい。一年生送りを経て築かれた関係は、これから先にもつながっていきます。そして4年後、今の1年生が5年生になるとき、送ってくれた5年生の存在の大きさを感じながら、新たなパートナーを送ることになるのです。

 

今日も廊下から

「5年生のところに行こう。」

という1年生の声が聞こえてきました。

 

月曜朝礼 校長片岡先生の話

「先攻?後攻?」

 

7月に入ってから、新型コロナウィルス感染症に新たに感染した人の数が、東京都を中心に非常に多い数字を記録しているのを見ると、私たちにわからないところで、感染が拡がっているのかも知れないと心配になります。一方で政府は、屋外の会場で充分な間隔を取れば、参加者5,000人までのイベントを開催することができるというルールを新たに定め、7月10日からはプロ野球やJリーグで、観客を入れての試合が始まりました。無観客試合であってもテレビで観戦する限りはたいして変わらないかも知れませんが、スポーツ好きな人にとっては生の観客の歓声もまた、スポーツの欠かせない魅力のように感じられるでしょう。昨年のラグビーワールドカップのように、スタジアムを埋めた数万人もの観客が大きな感動を共有するような、素晴らしいスポーツイベントが、一日も早く開けるようになるといいですね。

ところでみなさん、サッカーの試合が始まる前に、両チームのキャプテンが、レフェリーが弾いたコインの表が出るか裏が出るかで、何かを選んでいるのを目にしますよね。あのコイントスに勝ったチームは、コートかボールかを選ぶことができるのです。コートを選ぶということは、前半はどちらのゴールに向かって攻めるか、その向きが決まるのですが、ボールを選べば、自分たちのキックオフから試合を始めることになります。どちらでも勝敗にはあまり関係がないように思えるのですが、昨年5月のU-20ワールドカップを調べてみると、コイントスに勝ったらコートを選択するというチームの方が、キックオフを選ぶチームの倍以上に多いのだそうです。

プロ野球では、ホームチームが後攻と決まっていますが、ふつう私たちが野球をする場合は、じゃんけんで先攻・後攻を決めますね。かつて『週刊ベースボール』という雑誌が、夏の甲子園大会の過去100回の決勝戦を調べてみると、先攻のチームが勝ったのは44回、後攻のチームが勝ったのは54回(中止が2回)ということで、後攻がわずかに有利という結果が出ました。でも、2011年から栃木県大会を9連覇し、2016年夏の甲子園で優勝した経験を持つ栃木県の作新学院は、その9年間の県大会・甲子園大会のうち、3分の2の試合を先攻で戦っていたそうです。後攻が必ず有利という決まりがあるわけではなく、チームの特徴によっては先手を取る方が有利ということなのでしょう。

これは7月4日朝日新聞「天声人語」にあった話です。よく、「ヘビににらまれたカエル」という言葉を耳にしますよね。何となく、恐怖で身がすくんで動けなくなった絶体絶命のカエルの姿を想像しがちです。自然界でも実際に、カエルとヘビのにらみ合いが一時間近くも続くことがあるそうです。でも、京都大学の西海望博士のチームの研究によれば、実はあの不動の姿勢こそカエルにとっては最善の防御策だというのです。

研究チームは、シマヘビとトノサマガエルを向かい合わせて何度もビデオ撮影を行い、分析しました。実験の結果、カエルはもし先手をとって跳躍すると、空中で進路を変えることができないため、ヘビに動きを読まれてつかまる危険性が高まるのです。一方でヘビも同様に、かみつく際に折り曲げた身体をバネのように一気に伸ばしますが、最初の攻撃が空振りすると、再攻撃のためにまた身体を曲げる時間が必要になり、その間にカエルが逃げてしまうのです。西海教授のチームはのべ300時間をかけてこの研究を行い、あのにらみ合いは、お互いが相手の動きを読みつつ、一瞬のチャンスをつかもうとする高度な戦略だったことを突き止めました。

囲碁や将棋であれば、先手必勝という言葉はうなずけるように思いますが、たとえば柔道や剣道、フェンシングなど、一対一で向かい合うスポーツの場合はどうやって、一瞬で相手の動きを読むのでしょうね。

特別なお客さん

少し前のことにはなりますが、学校内でお会いしたお客さんを紹介します。

 

 

正門広場で見かけたカモ。最初は1羽だけかと思いきや、近づいてみると。

 

奥にも、もう1羽。ずいぶんゆったりとした様子で過ごしているではないですか。

 

朝からおだやかな気持ちになれた瞬間でした。

 

 

子どもたちが登校してくる時刻。玄関前で様子を見守っていると一人の子が、

 

「あっ。」

 

と大きな声を出しました。

 

何だ何だと壁面を見上げてみると、立派なクワガタが。

 

この季節、みや林やグラウンドでクワガタを探している子どもたちが多くいますが、

 

その見つける早さには驚かされます。

 

 

ここ国立でも雨の日が続いていますが、今日の午後からは晴れ間も。虫かごをもって歩く子どもたちの姿を、今日も見かけました。

第62回入学式

7月1日、64期1年生の入学式を行いました。

 

オンラインによる「入学の日」から1ヶ月半、学校でようやく入学式を行うことができ、私たちも胸がいっぱいになりました。

 

私たち以上にこの日を心待ちにしていたのが、1年生を送ることになる5年生。入学式前日、1年生が下校した後に、5年生が入学式のための飾り付けをしました。1年生に喜んでもらえるように、できることを一生懸命やろうとする5年生の姿は、本当に頼もしく感じられました。

 

式の最後に、在校生代表として、2年生と5年生からのお祝いのメッセージが1年生に伝えられました。

 

 

「はじめてのこうはいができて とってもうれしいよ。」

「わからないことがあったら、わたしたちにきいてね。」

「こまったことがあったら、2年生のところへきてね。」

 

「一年生のみなさんが安心してすごせるように、パートナーとして精一杯がんばります。」

「帰り道、困ってしまうことがあるかもしれません。そんな時は、わたしたちがみんなのことを助けます。」

 

 

一年生のみなさん、入学おめでとうございます。

最高学年として

今週から一斉登校が始まり、各クラスではようやく係決め等を行うことができました。

 

6年生の教室では、委員会決めやクラブの立ち上げといった、高学年ならではの活動も進んでいます。今週の火曜日と木曜日の朝、6年生が5年生の教室を訪れ、各委員会の活動内容ややりがいについて、説明をしました。高学年の仲間入りを果たした5年生に対して、学校を動かしていく立場として話す6年生は、すっかり最高学年の姿です。1年間の積み重ねをもとに、高学年としての心構えも6年生から5年生に伝授されていきます。

 

学校に全校児童が集まることになり、これからますます6年生のリーダーシップが発揮されることでしょう。6年生が立ち上げることになるクラブも、5年生が楽しみにしているはずです。今年はどのようなクラブがつくられるのか、またこのページでもご紹介できればと思います。

 

桐朋学園小学校をご案内します

先週、2年生がパートナーの1年生のために学校の中を案内しました。

 

本校では、2年生が1年生とパートナーを組み、様々な活動を行っています。その中の活動の一つとして、学校案内をしています。この日のために、2年生はパートナーの1年生に渡すカードを用意します。自分たちが1年生のときにもらったカードをもう一度見ながら、どんなことを書いたらよいか考えます。一つ上の代から次の代へ、そしてまた次の代へと、大切なことが引き継がれます。

 

学校案内当日、2年生2人と1年生2人の4人で、校舎内、そしてみや林や飼育小屋、桐の庭等の屋外を案内します。頑張って準備してきた2年生の中には、緊張している様子の子もいましたが、卒業制作の前で足を止めたり、飼育小屋でチャボのえさやりをしたりする中で、1年生との心の距離が縮まっていくように感じられました。

 

普段同じ玄関を使い、同じ中庭で遊ぶ学年どうし、これからまたつながりが深まっていくことでしょう。

 

月曜朝礼 校長片岡先生の話

「マスクの話」

 

桐朋学園小学校のみなさん、おはようございます。新型コロナウィルス感染症の拡がりが一定の落ち着きを見せた5月25日、政府は4月7日から続いた緊急事態宣言を解除しました。その後6月に入って、東京都内では一時、東京アラートという言わば注意報が出されましたが、6月11日にはそれも解除、徐々に都民の生活も元に戻りつつあります。6月19日には「県をまたぐ移動」の自粛要請も解除され、先週末あたりは全国の観光地にもお客が戻ったという報道がありました。

桐朋学園小学校はこの6月、オンラインでの授業から分散登校へと切り替えて学校での生活を再開させました。そして今日6月29日、2月の末に休校を決断してから実に4か月ぶりに、全員が一斉に登校する朝を迎えました。お帰りなさい、みなさん。もちろん、東京では新型コロナウィルスの感染者が、このところじわじわと増えていることもあり、不安は尽きません。慎重に、慎重に、全員でこの学校生活を守っていきましょう。

休校期間を通じて、私たちはマスクにずいぶんと振り回されて来ました。以前はドラッグストアに行けば当たり前のように売られていた使い捨てマスクが、全く手に入らなくなり、花粉症の人は特に辛い春を過ごしましたね。最初は仕方なく使われ出した手作りマスクが、洗って繰り返し使えるしデザインもかえっておしゃれだとブームになり、今ではファッションの一部になったといっても言い過ぎではありません。6月に入って、いろいろな有名ブランドが着け心地のさわやかな夏用マスクを開発し、こちらもすごい人気です。これからもまだまだ、マスクが手放せない日が続いていくのでしょう。

ところでみなさん、ベネチアンマスクって聞いたことがありますか?イタリアの有名な観光都市ベネチアでは毎年2月、1162年以来の歴史を持つ有名なカーニバルが開催されます。ブラジルのリオデジャネイロ、それからトリニダード・トバゴの首都ポートオブスペインと並んで、世界三大カーニバルに数えられるものです。ベネチアのカーニバルでは、参加する人々が素性を隠して行動の自由を満喫するためにベネチアンマスクと呼ばれる仮面をつけます。ベネチア土産としても人気のこのマスクは、私たちがしているマスクとは違って目の周囲など顔の上半分を隠すスタイル。のちにヨーロッパで流行した仮面舞踏会の仮面は、このベネチアンマスクがもとになっています。中央大学の山口真美教授の説では、日本人は相手とコミュニケーションをとる際に相手の目に注意を払うのに対して、欧米人は相手の口元に注目するのだとか。だから、欧米人はコロナウィルスの流行に対しても口元を覆うマスクをつけるのに抵抗を感じ、日本人は、マスクには何の抵抗も感じないかわりに、たとえばサングラスをかけた人を警戒する傾向があるというのです。

ところで、ベネチアのカーニバルでは、カラスのような黒い衣装に長いくちばしの仮面をつけた人たちをよく見かけます。その長いくちばしの仮面は、昔、ベネチアにペストという病気が流行した時に、医者が感染防止に被っていたものだそうです。長いくちばしの部分には殺菌作用があると言われていた薄荷などのオイルをふくませた綿が入れられたとか。14世紀から17世紀にかけて、ベネチアは実に20回以上、ペストに襲われています。特に1347年にヨーロッパ中に大流行したペストは有名で、北イタリアからフランス・ドイツ・イギリス、アイスランドやグリーンランドにまでひろがり、5年間でヨーロッパのおよそ3分の1の人々が亡くなったと言われています。

現代と比べて、医学の知識も乏しかった時代に、医師たちはカラスの仮面をつけてペストに立ち向かったのです。一見華やかなカーニバルが、そうした記憶を秘めているというのは、本当に興味深いことですね。

これからが楽しみです

社会科・生活科の学習の一環として、5年生が田植えをしました。
苗を渡す人たち、苗を植える人たち、その様子を見守る人たちのグループに分かれて、順番に作業を行いました。

田んぼに入る瞬間の独特の感触に、思わず声が出てしまう人もいれば、表情のみで気持ちを表す人、何事もなかったかのように田んぼの奥まで突き進んでいく人など実に様々です。一つひとつ丁寧に苗を植えながら、おいしいお米がとれるようお願いできたでしょうか。

梅雨の晴れ間を狙って、2クラス全ての班が田植えをすることができました。田んぼの様子がこれからどのように変わっていくか、教室から田んぼを見下ろすことも5年生の新たな日課となりそうです。

梅雨寒の1日となりました

朝から雨が降り続ける中、傘を差しながらの登校は、エネルギーを使います。

これまで5年間の経験がある6年生にとっては、大きなことではないかもしれません。しかし、登校し始めてまだ4日間しか経ってない1年生にとっては、大学通りの道のりも長く感じられたことでしょう。

1年生がどんな様子で過ごしているのか気になり、朝の会が終わってしばらく経ったところで、授業の様子をのぞいてみました。

 

すると、

 

両クラスとも授業に楽しそうに向かう姿が。

 

クラスメイトと学べることって素敵だなと感じたひとときでした。

 

教室はまだ半分の人数なのでさびしいですが、それでもクラスメイトと時間を共有することで得られるものは、あるはずです。今週はまたどんな一週間になるでしょうか。

分散登校の第2段階です

今週から、全学年の半分が登校するようになりました。

休み時間に聞こえてくる子どもたちの声が、少し賑やかになったように思います。

今週初めの朝、2年生からは、

「今日は1年生が学校にいるんだよね。」

と嬉しさいっぱいの一言が。

2年生にとっては、待ちに待った後輩の登校です。お隣の教室に1年生がいるというだけで、気持ちも盛り上がります。先輩になった2年生には、これから1年生と関わる場面が多くあります。きっと去年の自分たちのことを思い出しながら、1年生との時間を大切に過ごしていけるはずです。

学校の中を見回すと、あじさいが見頃を迎えています。大学通りにも、あじさいを見られるところがあります。学校に登校できるようになったことで、この時季ならではのものをたくさん見つけられます。

「今朝もクワガタを見つけたよ。」

と教えてくれる子どもたちがいました。

明日もまた、子どもたちの新たな発見があることでしょう。

COPYRIGHT © 2017 TOHO GAKUEN PRIMARY SCHOOL. ALL RIGHTS RESERVED. ページトップへ
テキストのコピーはできません。