東天狗岳2640mの山頂へ 5年生 奥蓼科林間学校 中編
朝5時、山の清々しい朝。
何人かの教員とガイドの方で、登山へ向けた天候のチェックです。
問題なく登山に行けそうです。
空を見たときの、担任の2人の横顔には、うれしさと緊張が混じっていました。
5時半に起床。
眠い目をこすりながら、この林間学校の目的である登山の準備を整えます。
朝食後、6時50分すぎに出発。
いつもなら、まだ家にいる時間かもしれません。
この日は山の中にいたのです。
うっそうと木々が生い茂り、足元は苔むした唐沢の緑の中を、72人の子どもたちは歩いていきます。
歩き始めてから2時間以上過ぎ、ようやく黒百合平というところに着きました。
少し長めの休憩をとって、いよいよ頂上へ向かいます。
ここからは景色が一変します。
高い木々が育つことできない境界である森林限界を越えたのです。
尾根道に出ると、その景色に思わず感嘆の声があがります。
緑の山々、青い空、白い雲。
街は山の向こう側にかすかに見えるばかりです。
見渡す限りの大自然の中に、自分がいるのです。
両足のみならず、両手も使わないと越えられないような岩場も乗り越え、さらに前へと進み、ようやく2640mの頂にたどりつくことができました。
すがすがしい風の吹く頂上に、子どもたちの歌う清廉なエーデルワイス歌声が響きます。
みんなは何を思って歌っていましたか?
疲れた体を動かすために、お互いを励まし合いながら、無事に下山することができました。
登山をする前の自分と、登山を経験した自分。
それは同じ人間ですが、同じ自分なのでしょうか?
もし違うとするならば、何が変わったのでしょうか?
(7月25日)