身体・感覚を使い作り上げる 5年生 野焼き
この日は5年生の生活科の大きな学習である野焼きが行われました。
1万年以上の時を越え、縄文人と同じ方法で土器を焼き上げます。
火をつけることも、自らの手で行います。
紐をうまく使い、木の棒と板を摩擦し、火種を生み出します。
これが現代の私たちにはとても難しい。
煙が出てくるところまではいくものの、火が起きません。
焦げ臭いにおいに「あと少し、あと少し」と何度も挑戦しました。
最後は火打石も使い、自分たちで火を起こしました。
身体で起こした小さな火を木に移し、大きな焚火を起こします。
そこに少しずつ土器を近づけていきます。
土器をじっくり温め、土を乾燥させ堅くしていきます。
土器を近づけるために焚火に寄ると、燃える火の熱さを頬やひたいに感じます。
炎のにおいが鼻を通ります。
常に形を変え続ける炎の姿、まぶしさは何に形容できるでしょうか。
軍手越しにも土器が熱くなっていることが伝わってきます。
この土器を焼き上げる野焼きを通じ、私たち人間にもともと備わっている感覚が、刺激され、磨かれていきます。
1日をかけ、土器を焼き上げることができました。
見事に焼きあがった土器も、思うように焼きあがらなかった土器もあります。
土器の数だけ、子どもたちの感情もあったことでしょう。
この気持ち、感情もまた、縄文人のころから私たちに備わっていたものです。
原始的な体験を通じ、私たちが持つ身体・感覚が刺激され、豊かな感情が生まれた時間でした。(11月19日)