「ちくちくするよ」
「弱気になるな。俺の職人技を見せてやる」
威勢の良い声が聞こえてきました。
それは桐の庭の田んぼから聞こえてきました。
水が抜かれてすっかりからからになった田んぼ。
この日は待ちに待った稲刈りの日なのです。
夏の暑さに、続いた台風、そして初秋の長雨のせいか、稲は思うように黄金色には染まりませんでした。
ただ、その難しさを知ることも、大切な学びなのでしょう。
それでも、収穫した稲穂に、たしかにコメがある手触りがあります。
その手ごたえがうれしくて、いっしょうけんめいに稲を束につかんで、稲刈りをしていきます。
このあとははざかけにして干すのでしょう。秋の陽に照らされる稲を見ることが楽しみです。






