「ええ、もうそんな時間なの。まだ時間がほしい」
残り時間を告げられたとき、スケッチをしていた子どもたちはそのような声をあげました。
この日、5年生は駒場にある日本民藝館にやってきました。
はじめに学芸員の方から説明を受けました。
この民藝館を建てた柳宗悦さんは、飾り立てられた美術品ではなく、無名の職人が手仕事で作る、人々が生活の中で実際に使う日用品のなかに美しさを見出しました。
そして、それまで「下手物」と呼ばれていた日用品に「民藝」という名をつけたのです。
この民藝館にはそんな民藝品が多く飾られています。
ここに飾られているものには、最低限の説明しか添えられていません。
その説明とは名前、時代、場所のみです。
それは、その民藝品を見た私たちの素直な感性、「直観」を大切にしてほしいという思いからだそうです。
少ない説明だからこそ、目の前のものがいったい誰がどのような生活のなかで使ったのか、想像する楽しさがありました。
そして何より、「用の美」とも呼ばれる、日常のなかで人々に使われるためのものに宿る美しさをたくさん見つけることができました。
この日は柳宗悦さんのお住いでもあった西館も見学しました。
そこにいるだけで心が落ち着く穏やかな趣のある部屋でした。
障子の格子模様も少しずつ違っていて、その細やかさに驚きました。
民藝館で過ごした時間は、しみじみとした美しさが心にしみいる時間となりました。
見学の時間はあっという間に感じられました。









