桐朋だより

ひとつの筆が 6年生 美術館見学

朝早くに国立を出発したバスは9時過ぎには皇居の脇を走り、10時の少し前に京橋にある「アーティゾン美術館」の前に停まりました。

今日は6年生の美術館見学の日なのです。

いまの展示は「モネ」展。印象派の巨匠の展示に毎日たくさんの人が足を運んでいるそうです。

しかしこの日はスクールデー。

美術館は休館日で、なんと子どもたちは貸し切りでじっくりと絵に向き合えるのです。

 

まずは学芸員の方のギャラリートーク。

もうひとつの展示である「カタリウム」展、そのなかでも江戸時代の金屏風についてお話をしてくださいました。

天下祭とも呼ばれた山王祭のにぎやかな様子を描いた金屏風。

この屏風が置かれた部屋では、いったいどんな人たちがどんな生活を送っていたのでしょうか。

そこにこの屏風はどんな彩りを添えていたのでしょうか。

 

そして「モネ」展。

学芸員の方が、1枚の絵について解説してくださいます。

それは「カササギ」。

白い雪の風景に一か所、小さな黒い姿があります。それがカササギ。

カササギの後ろには、さらに白い雪の風景が広がっていきます。

「このように、平面である絵画に、このカササギがいることで奥行きが生まれるのです」

ああ、なるほど。ながめるだけでも感動が生まれますが、話を伺うとそれがより味わい深く感じられました。

同じ白い雪のはずが、光の当たり具合で白にもさまざまな白があり、それを知ることもできました。

 

そして自由な鑑賞の時間が来ました。

美術館の静けさが心を落ち着けます。

モネの絵を間近で見ます。

絵に顔を使づけてみると、一筆一筆がなんでもないように描かれているように感じます。

でも、離れて絵をながめると、ひとつの筆のあとが、全体のなかでたしかな意味を持っていることに気づきます。

ああ、ためいきがもれます。

時代と場所をこえて、作者への憧憬がふくらみます。

 

みんなはどんな思いを抱いたんだろう。

 

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