「ぎゃーーーー」
さけび声が桐の庭にこだましました。
それは水田に足を踏み入れた女の子の声でした。
今日は稲刈りの日。
春に植えた稲の苗は暑い夏を越えようやく実りの秋を迎えたのです。
今日はあいにく朝から曇り空で肌寒い天気でした。
水田も冷え切っていて、そのさけび声だったのです。
それでも腰をかがめて稲をつかんで刈っていきます。
それをはざかけにします。
水田から出てきたみんなは、おそろいの茶色いソックスをはいているよう。
その姿がなんともかわいらしく、思わずほほえんでいたら
「笑っていないで先生も入りなよ!」
そんな声が聞こえてきました。







