5年生の秋の大きな挑戦、野焼きが今年も行われました。
まずは校長の原口先生の話から始まります。
原口先生はゴリラの研究者である山極寿一さんの言葉を借りながら、子どもたちにこう語りかけました。
「みなさんも今日、知的好奇心を高めて「火」に親しむとともに、人間の一番重要な能力、『諦めない』力を存分に発揮して、火おこしにチャレンジしてください」
野焼きは縄文人と同じ方法で土器を焼き上げる挑戦です。
この野焼きにたどりつくまでに、5年生は様々なことを積み重ねてきました。
まずは土器のスケッチ。夏に宿泊行事、奥蓼科林間学校の際におとずれた尖石縄文考古館で縄文土器のスケッチをしました。
そして土器の材料の土も自分たちで作りました。
粘土と砂を混ぜることで、より土器にふさわしい土を作ったのです。
それからやっと土器づくり。
輪っかを重ねて丁寧にすきまを埋めて、少しずつ少しずつ形づくっていきました。
この日、それをついに焼き上げるのです。
火起こしが始まりました。
木の板と木の棒、それに巻き付けるひもだけで火を起こします。
棒と板のまさつでけずられた木の粉がだんだんとこげくさくなってきて、どんどん黒くなってきて、ようやく小さな火種が…
うまくいった人たちも、思ったようにならなかった人たちも、『諦めない』力を発揮した自分に胸を張ってください。
組んだ木材に火をうつせば、大きな炎があがります。
そこに少しずつ土器を近づけ、土のなかの水分をとばしていきます。
あたためられた土器から熱さが伝わってきます。
それだけでなく炎に近づいていけば、ほっぺたでもその熱さを感じることができます。
木材が燃える音、木がこげるにおい、熱さは目からも伝わってきて、うまく目を開けておくことができません。
五感、身体全部で炎を感じていくのです。
さあ、無事にできあがったでしょうか。
みんなの渾身の土器が並ぶ日を今から楽しみにしています。











