背の高い白い鳥居をくぐるとき、自然とこうべを垂れる子どもたちの姿がありました。
今日は6年生の修学旅行1日目。
国立からバスに乗り、中央道を軽快に走り、まずはひとつ目の目的地、諏訪大社上社本宮に着きました。
にぎやかなバスの車内から一変して、歴史ある神社の厳かな雰囲気が子どもたちの姿勢を凛とさせます。
みんなは何をお願いしたのでしょうか。
ふたたびバスに乗り、次に着いた場所はりんご園。
ここでりんご狩りをします。
「10個食べるよ!」と車内で息巻く声を聞きながら「私は大人だし3個くらいで…」と思っていました。
しかし、太陽の光をいっぱいにあびて深紅に染まる「秋映」の大きいこと大きいこと。
木からもぐとその重みが手のひらに伝わってきます。
思い切りかじりつくとあまずっぱい果汁が口いっぱいに広がって、秋そのものをほおばっているような、そんな気持ちになって、思わず笑みがこぼれます。
1個でお腹も気持ちもいっぱいになりました。
が、この文章を打ちながら、あの味を思い出し、がんばってもう1つ食べればよかったなと後悔とよだれがわいてきました。
翌日は一路、トンネルを抜けて上高地へ。
大正池の脇に着いたバスを降りると残念ながら小雨が降っていました。
山々の稜線は曇り空にけむっています。
ところが、昼食を終えてレストランを出ると、なんとそこには青空が広がっていました。
木々から落ちる水の粒が陽の光に照らされ輝きます。
エメラルドグリーンに流れる梓川も、その先に見える穂高連邦の峰々も、子どもたちを迎えているようです。
そんな美しい上高地を、グループごとに思い思いのペースでたっぷり時間をかけて歩きました。
冷えた体をホテルの温泉に沈めます。
広い温泉はクラス全員で入れるのです。
大きな窓からは安曇野の少しずつ色づき始めた木々が見えるのですが、子どもたちはそれを見るのではなく、なぜか広い浴槽でまるくなっておしゃべりに夢中。
それはそれで素敵なことだなと思いました。
信州の夜が更けていきました。














