桐朋だより

中庭の雨ふり小僧 演劇鑑賞教室

水曜日は全校のみんなで劇を鑑賞しました。

演目は劇団民話芸術座による「雨ふり小僧」。

マンガの神様と呼ばれる手塚治虫さん原作のお話です。

 

山奥の分教場でたったひとりで学ぶ中学生のモウ太。

いつもひとりぼっちで、街の子どもたちにはいじめられています。

そのモウ太の前にあらわれたちょっと不思議な妖怪、雨ふり小僧。

「その長靴をくれるのなら、3つのお願いをかなえてあげる」

はじめはいぶかしがるモウ太でしたが、結局は雨ふり小僧と約束をすることに…

 

劇団の方のユーモラスな演技に講堂は笑いであふれました。

また、見事な舞台変換やたくさんの工夫に感嘆のため息ももれました…が、

気が付くとそのストーリーにぐいっと引き込まれました。

牧歌的なのどかささえ感じられたお話が、中盤から急な展開を見せていきます。

そして終盤、モウ太の心からのさけびに、私たちの心も震えました。

 

「あなたは何か忘れてしまっている約束はありませんか。

見えなくなっているものはありませんか。」

 

そんなふうに問いかけられている気がしました。

みんなはどんな感想をいだいたのかな。

 

劇が終わり、講堂を出てみると、中庭は雨模様でした。

きっと雨ふり小僧がふらせたのでしょう。

みんなには見えているんだろうな。