1学期の終業日の翌日、6年生は千葉の岩井海岸へと出かけました。
岩井臨海学校です。
バスが左にカーブを曲がると、光る海が見えてきました。
「海だ!」
子どもたちから歓声があがります。
高鳴る胸の音が聞こえてくるような歓声。
すぐに海に行きたいところでしたが、天候が悪く、この日の練習は中止に。
宿の大広間でみんなで泳ぎに関する映画を見て、気持ちを高めました。
私たち教員はその時間を利用して、海でライフセーバーの方から救急の方法を学びました。
私たちもまた、子どもたちの挑戦を支えることに、気持ちと準備を整えました。
「早く寝なさい明日は海で練習なんだよ。」
消灯後、なかなか寝付けず友だちと話していると、そんなふうに怒られてしまうのも、臨海学校らしいと言えばらしい光景です。
翌日の朝、まずは体操をしに海に来ました。
そこで僕はみんなにこんな話をしました。
「僕たちの出会いは小さな画面の中だった。」
そうです。みんなが入学のときはやっかいな流行り病のせいで、学校には通えませんでした。待ちに待った初めて顔を合わせるその日は、オンラインで行われました。
「それが、今、こうして大きな海のまえに一緒に来られた。」
もう自分で話しながら、こみあげるものがありました。
「それが、うれしい。」
心からの言葉です。
朝ごはんを終え、再び海へ。
明日の遠泳に向けた練習が始まります。
僕はそれを浜から見ていました。
波が押し寄せるたびに、みんなの水泳帽が波にのまれて一瞬見えなくなります。
それがまた波の向こうにひょっこりとあらわれて、みんなが一生懸命泳いでいることが見えます。
小学校プールから中高プール、みんながここまで積み重ねてきた練習の成果がその姿にあらわれているようで、僕はまたぐっとこみ上げてくるものを感じました。
さあ、明日は遠泳です。